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在宅ワークが浸透した今、オフィスって必要?(株)ニット・秋沢社長に聞く、テレワークの進め方とオフィスの在り方

新型コロナウイルスの影響で、在宅ワークを導入する企業が増えている今。

「在宅の方が集中して業務を進めることができ、家族との時間も増えた」
「在宅だと集中できず、また、孤独を感じるためオフィスで仕事がしたい」


など、様々な意見があることでしょう。
では、企業が生産性を落とさずに在宅ワークを進めるにはどうしたら良いのでしょうか。
また、在宅ワークでも問題なく業務を進められることができた場合、果たしてオフィスは必要なのでしょうか。

今回は、「働き方」「暮らし方」を自分で選べる未来を創るための事業を展開し、2017年の設立当初からフルリモートを導入している株式会社ニット代表取締役・秋沢氏に、テレワークを円滑に進める方法・これからの働き方・それらを踏まえたオフィスの在り方についてお聞きしました。

ワークライフバランスからワークライフシナジーの時代へ
ニットがテレワークを推奨する理由

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場所や時間を問わず仕事をしたい方と、業務のアウトソーシングをしたい企業のマッチングプラットフォーム「HELP YOU」、暮らしと仕事の融合を考える、働き方提案メディア「くらしと仕事の2つの事業を展開する同社。
ミッションに基づき、同社自体も創業当初からフルリモートを導入しています。

まずは、なぜこのような働き方の会社を作ろうと思ったのか、これからの時代の「働き方」「暮らし方」について、秋沢社長の意見をお聞きしました。

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秋沢社長「これからの働き方・暮らし方を考える前に、まず生き方そのものが変わってきてると思うんですよね。少し前までは、一生会社に所属し続けて働くという生き方が一般的でした。つまり、人生の大半を過ごすことになるコミュニティが、会社の中にあった。だから、自分が所属するコミュニティのために残業をするのは当たり前だとか、全然苦にならない人も多かったと思います。

でも、個の時代と言われるようになり、暮らしを充実させるからこそ働くことが活きてくるよね、という考え方がじわじわと広まってきていて…自分が生きるコミュニティを、会社だけでなく、外にも求めていくようになった。これからは、複数のコミュニティを持ちながら生きていくのが当たり前の時代になっていくのだろうと考えています。

理想の暮らし方から自分の働き方を選択する人が増えた時に、その受け皿を用意しておきたい、出来るだけ多くの選択肢を用意したい…という想いで弊社は事業を展開していて、弊社自体もそういった働き方を採用しています。

ワークライフバランスという言葉がありますが、これからの時代はワークライフシナジーだと考えていて。バランスって、ワークとライフが別々だからこそのバランスじゃないですか。

でも、これからの時代はワークとライフが混ざっていくと思うんですよね。暮らし方が働き方を良くするし、働き方が暮らし方を良くする。相乗効果を生み出せるようしていくことが、人生を豊かにしていくことに繋がるんじゃないかと考えています。

今はカフェでも自宅でも海外でも、オフィスにいなくてもできる仕事って増えていますよね。自分の暮らしに仕事が入ってきている状態というか。
みんなにそういう働き方、暮らし方、そして生き方を発信していきたいですね。」

サボる人は、オフィスにいてもサボる
大切なのは、従業員を信頼することと、成果や業務を見える化する仕組みづくり

そんな同社の働き方・事業内容から得たテレワークのノウハウを元に、オフィスにいなくても円滑に業務を進める方法をお聞きしました。

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秋沢社長「最近は、コロナがきっかけで初めて在宅ワークを導入する企業が増え、どのように始めたら良いのか分からないという問い合わせを多数いただくようになりました。
弊社では、以下の3つを中心にアドバイスをさせていただいています。

1つ目は、制度面(ルール・労務環境など)を整えること
在宅ワーク(またはテレワーク)を導入するにあたって、稼働時間や出勤報告の取り決めなど、これまでと変わらず労務管理を行えるようなルールを整える必要があります。

2つ目は、業務を仕分けること
〝うちの会社は、業務内容的にテレワークが難しい…”という声もよく聞きますが、業務を細分化すればテレワークで問題なく進めることができるものもあるかもしれません。
何がテレワークでできて、何ができないのか、きちんと仕分けした上でテレワーク導入の可否を決めましょう。

3つ目は、コミュニケーションの仕方
これが一番ネックとなっている企業が多く、〝サボらないのか?”と心配する管理職の方の声をよく聞きます。
弊社の場合、もう性善説ですね。笑
きちんと仕事をするだろうという信頼のもと、仕事を行なっています。
そもそも、オフィス以外だとサボってしまうような人は、オフィスにいてもサボっている可能性は高いです。オフィスでも、ずっとその人を監視していることはできませんから。

あとは、業務の見える化をし、最初の時点で成果地点をしっかりと握っておくこと。例えば、この人の場合は1週間後に業務をここまで進められるようにしようと、予め共有しておく。
信頼と仕組みを掛け合わせ、プロセスのマネージメントではなく、結果のマネージメントをしていくことが重要なのではないでしょうか。」

- 実際、ニットさんの場合は労働時間も決めていないのですか?

秋沢社長「一応、コアタイムは設けていますが、家庭の事情などで難しい場合は多少ずれても問題ありません。それよりも、成果主義ですね。

極端に言えば、1ヶ月の売り上げ目標300万円の営業の方がいたとして、それさえ達成すれば労働時間が足りなくても、どう過ごしていても問題ありません。結果が出る出ないに、オフィスにいるかどうかは関係ないんじゃないかと思います。

ただ、完全なる成果主義なのでこれはこれで合わない人もいるんじゃないかと。どこにいてもミッションを持って、結果にコミットできる自律性が求められますね。」

テレワークが普及する世の中で、オフィスは必要?
これからの時代の、オフィスの在り方とは

- 仕事をするしないに場所は関係ない。むしろ、より豊かな人生を生きるために働く場所を選べた方が良い…というお話ですが、これからの時代、オフィスは必要なのでしょうか。

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秋沢社長企業がどんな組織をつくりたいかによって異なると思います。オフィスを持たなくても仕事は成り立ちますが、オフィスを持つことで、メンバーがいつでも集まれる場所・帰ることができる場所をつくれる良さがオフィスにはあります。

ひとりひとりが、何が好きで、どういう生き方をしたいのか、自分の人生を生きるようになると、非常に多様な世の中になります。そして、多様になればなるほど、逆に孤独になっていくと思うんです。

みんながみんな自律して、成果だけを追い求めると、それはそれで殺伐としてきますしね
やはり、愚痴を言い合ったり、頑張っている人と話したり…誰かの存在によってモチベーションが上がることって、人間として当たり前のことなんじゃないかと思います。

個の時代だからこそ、自律が求められるようになります。その際に大切なのがコミュニティであり、コミュニケーションが取れる場所です。
在宅で働く環境が整っていない方もいますし、働く場所の選択肢のひとつとして、オフィスを持ち続ける選択肢もあると思います。」

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▲コミュニケーションを取りやすい、ニットさんの執務スペース

- これまでのような、毎日出社してあらゆる業務を行うための〝オフィス”ではなく、メンバーと顔を合わせる場所として、また、その日働く場所の選択肢のひとつとしての〝オフィス”ということですね。

秋沢社長「そうですね。
もちろん、業務によっては、直接顔を合わせて進めた方がクオリティが上がるものもありますし。

そしてもうひとつ重要なのが、会社のミッション・ビジョンを表す場所、メディアとしての役割ですね。
オフィスで採用面接を行うと、初めてニットを訪れる方に〝ニットらしさ”を体感してもらうことができます。また、弊社の場合フルリモートが前提で日本全国にメンバーがいるので、普段会えないメンバーが年に数回東京に来た時に、会社のミッション・ビジョンを改めて体感する場所でもあります。」

- そうなってくると、これまでのような従業員数分の執務スペースがある大きなオフィスは不要となってくると思うのですが、ニットさんの現在のオフィスはどのように作られたのですか?

秋沢社長「ただみんなが集まる場所があれば良いかというと、そうでもないと思っていて。弊社はもともとコワーキングスペースを法人利用していたのですが、結構オープンな広い空間だったんですよね。
あまり自分たちの場所というのは感じられず、ただ同じ場所に来て仕事をして終わったら帰るという…カフェみたいな感覚になっていました。

フルリモートが前提であるからこそ、改めて弊社にとってのオフィスの意味を考えたところ

・対面でコミュニケーションを取る場所、コミュニティの一員として立ち寄れる場所
・業務を行う場所の選択肢のひとつ
・メディアとして〝ニットらしさ”を表す場所

だったので、用途にあったオフィスをヒトカラメディアさんにデザインしていただきました。具体的には、

・会議スペース
・フランクに意見の交換ができるゆったりスペース
・集中して作業を行うことができる執務スペース(フリーアドレス)
・〝ニットらしさ”を体現するデザイン

などがあります。」

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▲ゆったりスペース

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▲フランクな社内MTG、意見交換などに活用されている

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▲集中して作業に取り組むことができる、仕切りのある席

秋沢社長「エントランスの棚は、ヒトカラメディアさんがワークショップを開いてくださり、メンバーみんなでDIYをして作りました。普段異なる場所で仕事をしているメンバーだからこそ、〝みんなでオフィスを作る”という体験を共にできたことは、とても良かったですね。」

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▲棚づくりDIYの様子

- 自社のオフィスづくりの経験も踏まえて、これからのオフィスの在り方は、どうなっていくと思いますか?

秋沢社長〝何のためにオフィスが必要なのか”というのを会社ごとに再定義し、それに合わせて必要な機能を備えた、自社ならではのオフィスを持つ時代になるのではないでしょうか。
100人の会社であれば、テレワークを組み合わせ、執務スペースは40席分あれば良いなど。
社外に対してはメディアとしての役割を持ち、従業員にとっては〝働く場所の選択肢のひとつ”になると良いなと思います。」

これからの時代は、オンラインでもコミュニティ形成が求められていく

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秋沢社長「直接顔を合わせる場所としてオフィスはとても大切ですが、「働き方」「暮らし方」を自分で選べる未来を創るを掲げている弊社としては、気軽にオフィスに訪れることが難しい場所に住んでいるメンバーに対して、オフラインでの日常的なコミュニティをどのように作っていくか…も課題として感じています。

実は、去年からちょっとずつトライしていて…忘年会をzoomで100人同時に行なったりとか。笑
僕らのサービス、HELP YOUで働く皆さんは在宅ワーカーが多いので、オンライン上で他愛もない会話ができるようなグループを作ったりもしています。どこにいても、いつ働いても、そこにアクセスすれば同僚がいる…そんな世界を作っていきたいですね。

そこから派生して、僕らがやってきたテレワークのノウハウを集めて企業さんに提供していったり、プラットフォームを拡張していったり、そんなことも考えています。」

- 育成が必要なメンバーだと、どうしてもオフラインが大事になってきたりしませんか?

秋沢社長「弊社ではまだ新卒採用などを行っておらず、基本的にスキルを持っているメンバーで仕事をしているので、現状そこまで困ったケースはありません。
しかし、これから先若手の方や新卒採用なども視野に入れているので、どうやって育成をしていくのか…というのは将来的にとても重要だと考えています。
直接コミュニケーションを取ることができるオフィスも構えながら、オンラインでどう密なコミュニケーションを取っていくか…は、引き続き取り組んでいきたい課題ですね。

そして、多くの方が自分に合った働き方・暮らし方を選択しつつも孤独を感じず(コミュニティに所属する)より豊かな人生を歩んでいけるようになれば嬉しいです。」






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ヒトカラメディアは『「都市」と「地方」の「働く」と「暮らす」をもっとオモシロくする』というミッション、『「働く場」と「働き方」からいきいきとした組織と個人を増やす』というビジョンを実現すべく、企業や組織、地域に関わるさまざまなプロジェクトを手掛けています!

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